魚を冷凍保存するやり方は?魚の種類別に解凍方法も合わせて解説!
日本人は魚の消費量が多いことで知られています。魚は健康によく美味しい食材ですが、1つネックになるのは「どのように冷凍保存し解凍するか」です。
買ってきた魚をすぐに食べられるとは限らないので、冷凍保存は当然なくてはならない技術。冷凍した魚を解凍することついても同じことがいえます。
この記事では、魚を冷凍保存する方法と、冷凍した魚を解凍する方法を、魚の種類別にわかりやすく解説します。
買ってきた魚をすぐに食べられるとは限らないので、冷凍保存は当然なくてはならない技術。冷凍した魚を解凍することついても同じことがいえます。
この記事では、魚を冷凍保存する方法と、冷凍した魚を解凍する方法を、魚の種類別にわかりやすく解説します。
魚を冷凍保存する際の注意点
魚を冷凍保存する際に注意するべき点としては、以下の3つが挙げられます。
魚を冷凍する知識は、漁師や業者にのみ求められるものではありません。消費者も生活の知恵としてわかっておく必要があります。以下の解説を読んで把握しておきましょう。
- 下処理をしておく
- しっかりと密閉して保存する
- なるべく急速冷凍する
魚を冷凍する知識は、漁師や業者にのみ求められるものではありません。消費者も生活の知恵としてわかっておく必要があります。以下の解説を読んで把握しておきましょう。
下処理をしておく
まず大切なのは、冷凍したい魚を下処理することです。具体的には、エラ・内臓・ウロコなどを冷凍する前に取り除きます。丸ごと1尾の魚は内臓から傷み始めるからです。
切り身の場合にも、臭みの原因となるドリップを拭き取るといった下処理をおこないます。
下処理は衛生的な環境でおこなうことが重要です。魚を触る前に手をよく洗い、道具も清潔な菜箸やまな板を使う必要があります。不衛生な環境で下処理をしてしまうと、冷凍がうまくいっても腐敗が進んでしまい、思ったような効果を得られません。
切り身の場合にも、臭みの原因となるドリップを拭き取るといった下処理をおこないます。
下処理は衛生的な環境でおこなうことが重要です。魚を触る前に手をよく洗い、道具も清潔な菜箸やまな板を使う必要があります。不衛生な環境で下処理をしてしまうと、冷凍がうまくいっても腐敗が進んでしまい、思ったような効果を得られません。
しっかりと密閉して保存する
魚を冷凍保存する際には、しっかりと密閉して保存しましょう。単にラップに包んだだけ、あるいはビニール袋に入れただけといった状態で冷凍すると、魚が空気に触れるため、酸化や乾燥の原因となります。できる限り空気から遠ざけるのが保存のコツです。
また、ほかの食品へのにおい移りにも注意する必要があります。とくに冷凍庫の中に食材がたくさん入っている方は、強く意識しておくべきでしょう。
ジップロックなどのしっかり密閉できる保存袋を使い、空気を十分に抜いて密閉しましょう。
また、ほかの食品へのにおい移りにも注意する必要があります。とくに冷凍庫の中に食材がたくさん入っている方は、強く意識しておくべきでしょう。
ジップロックなどのしっかり密閉できる保存袋を使い、空気を十分に抜いて密閉しましょう。
なるべく急速冷凍する
魚を冷凍保存する際は、なるべく急速冷凍することを心がけましょう。急速冷凍したほうが、魚の美味しさが保たれるからです。
魚に厚みがある場合は、冷気がなかなか身の中心に伝わりにくいので注意してください。保存袋に入れる際には、できるだけ薄くするのも工夫の1つでしょう。
冷凍庫に「急速冷凍室」が備わっている場合には、急速冷凍室を利用すべきです。急速冷凍機能がない場合には、アルミやステンレス製のトレイの上に乗せて冷凍庫に入れましょう。金属は熱の伝導率が高く、冷凍にかかる時間が短く済むからです。
魚に厚みがある場合は、冷気がなかなか身の中心に伝わりにくいので注意してください。保存袋に入れる際には、できるだけ薄くするのも工夫の1つでしょう。
冷凍庫に「急速冷凍室」が備わっている場合には、急速冷凍室を利用すべきです。急速冷凍機能がない場合には、アルミやステンレス製のトレイの上に乗せて冷凍庫に入れましょう。金属は熱の伝導率が高く、冷凍にかかる時間が短く済むからです。
魚を冷凍保存する際の4つの方法
魚を冷凍保存する方法としては、以下の4つがあります。
それぞれに特徴があり、注意すべき点があります。以下の解説を読んで、一通り把握しておいてください。
- 生の状態で冷凍
- 下味をつけて冷凍
- 加熱処理をしてから冷凍
- 切り身にしてから冷凍
それぞれに特徴があり、注意すべき点があります。以下の解説を読んで、一通り把握しておいてください。
生の状態で冷凍
魚を調理加工せず、そのままの状態で冷凍する方法です。内臓やエラなどの処理をおこなわずに袋や容器に入れて、その上から水を注ぎ入れ、蓋をして凍らせるというのが具体的な方法となります。
氷に閉じ込める形をとることで、冷凍保存中に魚が空気に触れなくなるため、乾燥や味の変化が少なくなるのがメリット。「氷漬け冷凍」「注水冷凍」とも呼ばれています。
一般的に魚を冷凍する場合には、腐敗防止のために内臓の処理をおこないますが、生の状態で冷凍する場合にはあえて処理をしません。処理することによって組織に傷がつき、その箇所から傷みやすくなってしまうからです。
氷に閉じ込める形をとることで、冷凍保存中に魚が空気に触れなくなるため、乾燥や味の変化が少なくなるのがメリット。「氷漬け冷凍」「注水冷凍」とも呼ばれています。
一般的に魚を冷凍する場合には、腐敗防止のために内臓の処理をおこないますが、生の状態で冷凍する場合にはあえて処理をしません。処理することによって組織に傷がつき、その箇所から傷みやすくなってしまうからです。
下味をつけて冷凍
フィレや剥き身などに下味をつけて冷凍することで、魚の品質をよりよい状態に保っておけます。調味料で下味をつけることにより、魚の水分が調味液に引き寄せられたり、調味液が膜の役割を果たしたりすることで、乾燥や酸化が起こりにくくなるからです。
また下味をつけておくことで解答する際の酵素反応も抑えられるので、冷凍・保存・解凍すべてのプロセスを通じて品質を高く保ちやすくなります。長期間保存する際にはおすすめの冷凍方法です。
また下味をつけておくことで解答する際の酵素反応も抑えられるので、冷凍・保存・解凍すべてのプロセスを通じて品質を高く保ちやすくなります。長期間保存する際にはおすすめの冷凍方法です。
加熱処理をしてから冷凍
加熱処理をした魚は、冷凍によるダメージを受けにくいという特徴があります。塩焼き・蒲焼・煮魚にするなどの加熱処理により酵素が活動しなくなっているうえに、味付けによって乾燥や酸化が起こりにくくなっているからです。
加熱処理した魚を冷凍する際は、魚を袋に入れて脱気包装をおこなうか、あるいはラップなどの包装材で隙間なく密閉包装をおこないましょう。
あらかじめ料理を済ませてから冷凍してしまうので、食べる際に時間と手間がかからない点もメリットです。
加熱処理した魚を冷凍する際は、魚を袋に入れて脱気包装をおこなうか、あるいはラップなどの包装材で隙間なく密閉包装をおこないましょう。
あらかじめ料理を済ませてから冷凍してしまうので、食べる際に時間と手間がかからない点もメリットです。
切り身にしてから冷凍
切り身の状態で魚を冷凍保存する際には、買ってきたあとすぐに内臓やワタを取り除いておきましょう。すでに解説した通り、魚は内臓から傷んでいくケースが多いからです。
内臓を取り除いたら、丁寧に水気を取って、ラップなどで隙間なく包みましょう。魚の身を空気に触れさせないようにするのがコツです。水分や空気に触れさせないことで、乾燥や酸化が起きにくくなります。
内臓を取り除いたら、丁寧に水気を取って、ラップなどで隙間なく包みましょう。魚の身を空気に触れさせないようにするのがコツです。水分や空気に触れさせないことで、乾燥や酸化が起きにくくなります。
魚の解凍方法も覚えておこう
冷凍保存した魚を食べる際には、当然ながら解凍という工程が必要になります。解凍する方法としては、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれにメリットや注意点があるので、これを機会に一通り把握しておき、使い分けられるようになりましょう。
- 冷蔵解凍
- 電子レンジ解凍
- 流水解凍
- 氷水解凍
それぞれにメリットや注意点があるので、これを機会に一通り把握しておき、使い分けられるようになりましょう。
冷蔵解凍
冷蔵解凍とは、冷蔵庫に入れてゆっくり解凍すること。冷凍庫で保存していた魚を、保存袋ごと冷蔵庫に移すだけの作業です。魚の身に急激な変化が起こらず質が保たれるため、時間に余裕のあるときはおすすめの方法となります。
具体的な解凍時間は魚の厚みや種類などによって変わりますが、およそ使うタイミングの3~4時間ほど前に冷蔵庫に移しておき、半解凍状態で調理するのがポイント。完全に解凍するには6時間以上おく必要があります。
具体的な解凍時間は魚の厚みや種類などによって変わりますが、およそ使うタイミングの3~4時間ほど前に冷蔵庫に移しておき、半解凍状態で調理するのがポイント。完全に解凍するには6時間以上おく必要があります。
>電子レンジ解凍
電子レンジ解凍とは文字通り、電子レンジの解凍モードで解凍する方法です。自分の裁量でおこなう部分がほとんどないので、基本的には毎回同じように解凍できるのがメリットとなります。
とはいえ慣れないうちは電子レンジ解凍でも加熱ムラを起こしやすいので、注意が必要です。短めの時間を設定し、こまめにチェックしながら解凍を進めることで、より確実に解凍することが可能となります。
とはいえ慣れないうちは電子レンジ解凍でも加熱ムラを起こしやすいので、注意が必要です。短めの時間を設定し、こまめにチェックしながら解凍を進めることで、より確実に解凍することが可能となります。
流水解凍
流水解凍とは、ボウルの中に冷凍した魚を保存袋ごと入れて、流水に当てることで解凍する方法です。実行しやすさと解凍までのスピードのバランスがよいので、家庭で実践する方法としてはもっともおすすめとなります。
解凍しながらときどき魚の身を触ってみて、周りが柔らかくなったけれども中心がまだ固い状態になったら、半解凍状態です。調理をするにはこの状態が適しています。完全に解凍したい場合は、はっきり中心まで柔らかくなっているのが確認できるまで水に当て続けましょう。
解凍しながらときどき魚の身を触ってみて、周りが柔らかくなったけれども中心がまだ固い状態になったら、半解凍状態です。調理をするにはこの状態が適しています。完全に解凍したい場合は、はっきり中心まで柔らかくなっているのが確認できるまで水に当て続けましょう。
氷水解凍
氷水解凍とは、冷凍した魚を氷水の中に保存袋ごと入れて、水の冷たさを保ちながら時間をかけて解凍する方法です。水を低温のままにしておく手段として、解凍しながら随時氷を足していきます。
冷たい水で解凍するので必然的に時間はかかりますが、引き換えに鮮度を落とさず解凍できるのがメリット。ドリップが出にくいので、魚の旨味も高い品質で保たれます。
冷たい水で解凍するので必然的に時間はかかりますが、引き換えに鮮度を落とさず解凍できるのがメリット。ドリップが出にくいので、魚の旨味も高い品質で保たれます。
【魚の種類別】正しい冷凍/解凍方法
これは魚の種類別に、正しい冷凍・解凍の方法を解説します。以下のように分類したので、興味のあるところを参照してみてください。
- あじ・いわしなどの1尾
- イカ・たこなどの丸々1杯
- ぶり・さけなどの切り身
- マグロなどの刺身
- ハマグリ・あさりなどの貝類
あじ・いわしなどの1尾
あじやいわしなどの1尾を丸ごと冷凍する場合には、まず下処理として頭・ワタ・エラ・ウロコなどを取り除いて水洗いします。ペーパータオルで水気をしっかりと拭き取り、解凍後の調理方法に合わせて切ってから冷凍処理をおこないます。
冷凍方法
ジップロックなど冷凍用に使える密閉保存袋のなかに、身が重ならないように平らに入れ、密閉をして急速冷凍をおこないます。小分けにしたい場合には、ラップに包んでから保存袋に入れましょう。
解凍方法
解凍は基本的に、前述したどの方法を用いても問題ありません。家庭においては、利便性で流水解凍を選んでおくのが無難ではないでしょうか。
イカ・たこなどの丸々1杯
イカやたこは、冷凍しても劣化しにくい特徴があるので、時間を置いて調理しようと思っている場合には便利な食材です。唯一、肝臓のみ油であるため酸化しやすいのですが、その点に注意すれば長期間の保存も可能となります。
冷凍方法
イカやたこは柔らかいので、保存袋に入れる際に隙間ができにくいメリットがあります。密閉した袋はなるべく四角になるように凍らせると、冷凍庫のなかで整理しやすいのでおすすめです。
きちんと密閉した状態で保存しておけば、冷凍から1年以上経っても食べられます。
きちんと密閉した状態で保存しておけば、冷凍から1年以上経っても食べられます。
解凍方法
解凍の方法は、本記事で解説したどれを選んでも問題ありません。とりあえず流水解凍を選んでおけば、比較的短時間で簡単に解凍できるのでおすすめです。
ぶり・さけなどの切り身
ぶりやさけなどの切り身を冷凍保存しておきたいこともあるでしょう。切り身は丸ごとの魚と比べて鮮度が落ちやすいイメージがありますが、ポイントをしっかり押さえておけば数週間保つこともできます。
冷凍方法
まず下処理として、ドリップが出ていたらペーパータオルで拭き取っておきましょう。ドリップが残ったままだと、色や味が変色してしまう可能性があります。
下処理を済ませたら、ジップロックなどの冷凍用保存袋に重ならないよう平らに入れ、密閉して急速冷凍しましょう。小分けにしたい場合には、ラップに包んでから保存袋に入れます。
下処理を済ませたら、ジップロックなどの冷凍用保存袋に重ならないよう平らに入れ、密閉して急速冷凍しましょう。小分けにしたい場合には、ラップに包んでから保存袋に入れます。
解凍方法
切り身はどの解凍方法でも問題なく元の状態に戻せます。時間があれば冷蔵庫解凍、急ぐのであれば流水解凍を選んでおくのが無難でしょう。
マグロなどの刺身
マグロなどの刺身を冷凍保存することは、基本的にはおすすめできません。空気に触れる面積が多いため、冷凍することで味が落ちてしまうからです。それでも冷凍したい場合には、以下のことに注意して実行してください。
冷凍方法
まず刺身のドリップを、キッチンペーパーなどできちんと拭き取ります。このとき身を強くこすらないよう注意してください。刺身が複数ある場合には重ならないようそれぞれラップで包み、ジップロックなどの保存袋に入れて冷凍します。
保存期間の目安は約1週間です。
保存期間の目安は約1週間です。
解凍方法
どの回答方法を選んでもとくに問題はありませんが、刺身の美味しさをできるだけ保ちたいのであれば、氷水解凍でじっくり解凍するのがよいでしょう。しかし時間がかかって面倒な場合には、流水解凍などでもきちんと解凍されます。
ハマグリ・あさりなどの貝類
ハマグリやあさり、ホタテやカキと言った貝類も冷凍しておきたい場合はあるでしょう。魚と貝類では勝手が違うのではないかと考える方も多いかもしれませんが、冷凍の仕方についてはそれほど違いはありません。ただし解凍については違う考え方をする必要があります。
冷凍方法
まず下処理として、塩水で砂抜きをし、ペーパータオルで水気をしっかり拭き取りましょう。貝の種類(ホタテなど)によっては、殻やひもを取り除いて貝柱だけにするといった処理も必要です。
下処理を終えたら、ジップロックなどの冷凍用保存袋に重ならないよう平らに入れ、密閉して急速冷凍をおこないます。
下処理を終えたら、ジップロックなどの冷凍用保存袋に重ならないよう平らに入れ、密閉して急速冷凍をおこないます。
解凍方法
貝の種類にもよりますが、ハマグリやあさりについていえば、調理の前に解凍する必要はありません。凍ったまま調理をおこなうことになります。たとえば味噌汁など汁物の具として使う場合には、沸騰させたお湯に凍ったまま投入します。
正しく冷凍保存して魚を美味しく食べよう
魚をどのように冷凍保存すればよいか、そして解凍する際にはどのような点に注意すればよいかといったことについて解説しました。
魚は大変馴染み深い食材ですが、繊細であるため取り扱いには注意が必要です。状態の悪くなった魚を食べてしまうと、味を楽しめないだけでなく、体調に悪影響を及ぼす可能性もあるからです。
この記事を参考にして、適切な魚の冷凍・解凍方法を身につけ、食卓を楽しいものにしていきましょう。
魚は大変馴染み深い食材ですが、繊細であるため取り扱いには注意が必要です。状態の悪くなった魚を食べてしまうと、味を楽しめないだけでなく、体調に悪影響を及ぼす可能性もあるからです。
この記事を参考にして、適切な魚の冷凍・解凍方法を身につけ、食卓を楽しいものにしていきましょう。